整形外科

当院における整形外科診療について

骨・関節・神経・外傷の治療は整形外科

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 整形外科では、運動器(からだを動かす部分)の疾患を主に治療しています。救急外傷・骨折の症例が多いことが特徴です。このような患者さまは、できるだけ早い時期に手術を行い、リハビリに取り組むことで早期社会復帰を目指すことができます。また、加齢に伴い発症する慢性疾患(特に変形性膝関節症、変形性股関節症や脊椎疾患)に対する診療も行っております。

 当院の整形外科ではあらゆる整形外科疾患の診断、治療を行っております。診断については十分な診察とあらゆる検査機器を駆使して的確な診断をし、十分な説明のもと患者さまのニーズに合わせた治療を提供できるよう努力しています。また当院では診断困難、治療困難なケースに関してはそれぞれの病態・疾患に応じて適切な医療機関をご紹介致します。さらに当院での診断・治療について他の医師の意見を聞きたい場合には、セカンドオピニオンとして適切な医師をご紹介致します。また当院でもセカンドオピニオンの受け入れをしております。

それぞれの患者さまにとって適切な治療法を選択していただけるよう、質の高いまごころ医療を提供します。

当院整形外科における治療の方針

 あらゆる整形外科疾患は、まず保存的治療の適応がある疾患に対しては基本的に保存的治療を優先的に行い、保存的治療が無効な場合に手術治療を選択する場合があります。また疾患によっては手術療法が第1選択になる場合もあります。 治療方法については保存的でも手術的でもどちらの場合でも、医師から必ず十分な説明をし、患者さまの同意を得て行います(インフォームド・コンセント)。 ご自分のかかっている病気について不明な点がある場合には、お気軽にお尋ねください。患者さまと一緒に相談しながら治療を行ってまいります。

主に対応している疾患

【運動器外傷】

  • 打撲傷
  • 関節捻挫:足関節捻挫、
  • 四肢骨折:上肢骨折、下肢骨折

【脚の付け根の骨折=大腿骨近位部骨折について】

→神経や血管損傷の合併した骨折や開放骨折は対応可能な病院へ紹介いたします。

 

  • 脊椎外傷:頚椎・腰椎捻挫、脊椎圧迫骨折

→頚椎や手術が必要な場合は脊椎脊髄専門医のいる病院へ紹介いたします。


【慢性疾患】

  • 変形性関節症:変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症など

>>>変形性膝関節症について

>>>変形性足関節症について

参考記事【下肢のアライメントを整える】

参考記事【ナビゲーションを使用した人工膝関節置換術について】

  • 脊椎の変性疾患:変形性脊椎症、すべり症、陳旧性脊椎圧迫骨折
  • 足部の変性疾患:外反母趾、足部の変形性関節症など

>>>外反母趾について


【スポーツ障害・外傷】

  • 打撲・肉離れ
  • 疲労骨折
  • 関節捻挫
  • 半月板損傷
  • 靱帯損傷

参考記事【内側半月板後根断裂とは? こんな痛みにご注意を】

 

→膝前十字靱帯損傷や半月板損傷は肩・膝・スポーツ関節鏡センターにて対応致します。

→ドーピングについての相談は日本スポーツ協会認定スポーツドクターが適宜受けます。


【肩疾患】

  • 肩腱板損傷
  • 肩関節脱臼
  • 肩関節拘縮
  • 変形性肩関節症

→難治例・手術が必要な場合は肩・膝・スポーツ関節鏡センターにて対応致します。


【手外科領域】

  • 手根管症候群、肘部管症候群など神経絞扼性障害(神経伝達速度検査を実施しております)
  • ばね指
  • 手指の関節症
  • 腱損傷

→手術については主に手外科専門医が対応しております。


【小児疾患】

  • 四肢外傷

 ※手術が必要な場合、対応できる医療機関に紹介することもあります。

  • 乳児股関節二次健診
  • 学校検診で指摘された場合の二次健診

※必要に応じて専門医のいる医療機関へ紹介します。


【骨粗しょう症】

 腰痛や骨折などを契機に骨粗しょう症が判明した場合、または骨粗しょう症が心配で受診されたり、健診などスクリーニング等で指摘された場合、骨密度測定や骨代謝マーカーなどの血液検査などを実施し、骨粗しょう症の診断と共に個人個人の状態を把握します。骨粗しょう症の治療薬は多岐に渡るため、治療の基本となる食事療法・運動療法と併せて患者様の状態に応じた骨粗しょう症治療を実施していきます。骨粗しょう症は長期に渡って加療が必要となりますので、適宜検査を継続実施し(年1~2回程度)フォローしていきます。当院保健医学センターでは骨健診も行っています、骨密度が低下していた場合速やかに当院整形外科にて対応しております。

 当院には日本骨粗鬆症学会が定める『日本骨粗鬆症学会認定医』1名と『骨粗鬆症マネージャー』が12人おり、イベントにおける骨密度測定や骨粗しょう症に対する啓発活動などを行っています(日本骨粗鬆症学会ホームページ参照)。恵仁会では専門知識を持ったスタッフで構成されるKO-PTというチームを中心に、骨粗しょう症の早期発見や、予防を呼びかける活動を行っています。

《骨粗しょう症プロジェクトチーム“KO-PT”について》


【関節リウマチ】

 関節リウマチについては日本整形外科学会認定リウマチ医が対応します。症状・経過など詳しく患者さまから聞き取り、身体所見をくまなく得て、画像診断(X線像、超音波検査、場合によってはMRI検査)や血液検査を駆使し診断・治療に当たります。治療には内服薬を中心に使用しますが、効果不十分な場合には生物学的製剤を適宜使用します。

 治療効果については症状・所見や血液検査のみならず超音波検査を使用することもあります。また必要な場合には手術療法も実施します。さらには診断困難な場合や治療に難渋する場合、また薬の副作用で当院では対応できない場合などは日本リウマチ学会認定医のいる医療機関に紹介することもあります。


整形外科で行われる検査

当院整形外科で行われている主に検査です。

  • X線撮影装置……単純X線写真を撮影し骨の状態等を確認します。 
  • X線透視装置……透視画像を見ながら、脊髄腔造影検査、ブロック注射や骨折の整復を行ったり、全脊椎撮影や下肢全長撮影などの広範囲の特殊なX線撮影を行います。
  • 骨密度測定装置……骨粗鬆症を調べる装置で、当院では精度が高い腰椎及び大腿骨の付け根で測定します。
  • CT検査装置……体の断面を薄くスライスすることで、骨や関節の詳細な情報が得られます。また、再構成をすることで、任意の断面像を描出したり骨の3D画像を作成することができます。
  • MRI検査装置……X線、CT検査では描出しづらい軟部組織(筋、椎間板、半月板、靱帯)や骨の内部の状態をみることができます。
  • 超音波検査装置……非侵襲的検査として筋・靱帯などの軟部組織損傷や、リウマチによる関節所見などを見ます。診察室内で検査可能です。
  • 血圧脈波検査装置……閉塞性動脈硬化症等の指標は測定できます。
  • 筋電図誘発電位検査装置……神経伝導の指標が測定できます。

整形外科で行われている手術

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 当院では四肢骨折外傷や四肢関節疾患、手外科疾患を中心に年間700件前後の手術をしております。近隣の医療機関からの御紹介や、地域の方からの御紹介で佐久地域のみならず、広い地域から患者さまが来られて手術を受けにいらっしゃっています。

 その中で下肢人工関節については2022年10月にロボット支援手術(Stryker社Mako)を導入し、全人工膝関節置換術・単顆人工膝関節置換術、また人工股関節置換術を実施し早期退院・早期機能回復を実現しております。

 また膝周囲骨切りに関しては毎年20~30例の手術を実施し、最近は内側半月板後根断裂に対する修復術や半月板損傷に対する縫合術を併用しております。

 それ以外には変形性足関節症に対しまして、進行期に応じて関節鏡手術、骨切り術(低位脛骨骨切り術、遠位脛骨斜め骨切り術)、関節固定術(観血的、鏡視下)を実施しております。また外反母趾に関しても重症度に応じて第1中足骨近位骨切り術・遠位骨切り術、第1中足楔状関節固定術を選択実施し、更にリスフラン関節症や槌指などの合併変形についても同時に手術を実施しております。

 外傷につきましては、主に骨折治療について適切な時期に強固な内固定を実施し早期の関節運動と適切な時期での荷重開始を目的にあらゆる内固定材料や手術手技を駆使して手術を行っております。特に大腿骨近位部骨折手術は高齢の方が多く全身合併症を有する方も多いため、全身管理を内科等と連携し行い早期手術に取り組み、また術後は早期リハビリを実施、さらには骨密度測定等実施し二次性骨折予防にも取り組んでおります。

 また肩・膝・スポーツ関節鏡センターにおける手術については同センターのページをご覧ください。

 当院では引き続き周術期の全身管理や感染予防を徹底し、患者様が安心・安全に手術が受けられるようスタッフ一同連携しながら手術を行って参ります。

2023年度手術件数についてはこちら

 

リハビリテーションについて

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 当院では患者さまの心身状態に応じて医師の指示の下に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がリハビリテーションを行います。入院患者さまに対しては早期の回復と安心安全な退院を目指し、365日リハビリテーションを提供しています。

 整形外科でおこなう手術後のリハビリテーションのほか、急性期~慢性期にわたる各種疾患に対してもリハビリをおこなっております。退院後の生活を見据え、自宅環境や家庭内外での役割、社会活動を想定した動作練習や多職種間の連携を密に取りながら退院後の生活を安心して送れるようにサポートいたします。

 また、当院では脳卒中などの内科疾患に対しても同様のリハビリをおこなっており、嚥下障害に対しては言語聴覚士が内科医師や栄養士と連携して嚥下造影検査を行い、その結果に基づいて摂食嚥下機能訓練と合わせて食事形態の工夫や適切な栄養補給を行いながらリハビリを実施します。

 

【リハビリ対象疾患】

※リハビリテーションは医師の診断・指示の下におこないます

  • 運動器外傷(保存的治療または手術後):
  • 下肢慢性疾患:変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、扁平足など
  • 肩疾患:肩関節周囲炎(五十肩)、肩腱板損傷、肩関節拘縮など
  • スポーツ障害・外傷

リハビリテーションについて詳しく知りたい方はこちら

 

さなだクリニック・菅平高原クリニックについて

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 当法人には上田市真田町にさなだクリニック、同市菅平高原に菅平高原クリニックがあります。さなだクリニックでは週3回(月曜午後、火曜午前、木曜午前)に整形外科診療を実施しております。手術が必要な患者様についてはくろさわ病院での精査・手術を実施し、術前準備・リハビリはさなだクリニックで行っています。またばね指は手根管症候群などの小手術は同院でも実施しております。

 菅平高原クリニックは月曜夕方のみの診療となりますが、夏期のラグビーシーズン、冬期のスキー・スノボシーズンには連日診療、または土日診療もおこなっており、初期外傷対応など実施しております。また手術が必要な外傷の場合はくろさわ病院や緊急・入院手術が可能な医療機関に御紹介しています。

整形外科の連携体制について

 当院で整形外科全般において対応しておりますが、外傷の程度や疾患の状態によって、また治療効果不十分や専門的加療(特に手術)が必要な場合などは対応できる医療機関に紹介させて頂いております。

また近隣の医療機関から当院での精査や手術希望、また専門的加療が必要な患者さまを御紹介頂くこともあります。もちろん入院が必要な方の御紹介も受けております。

 もし他の医療機関におかかりの方で、当院での診察・加療をご希望の場合はかかりつけの先生に診療情報提供書を頂けるとありがたいです。また診療情報提供書が頂けない場合もご相談頂ければと思います。

最近は遠方(上田市以北や群馬県など)から来られる方も増えておりますので、受診相談等ありましたら、まずは病院の方にお電話頂ければ幸いです。

<連携医療機関>

佐久医療センター/佐久総合病院本院/佐久総合病院小海分院/浅間総合病院/佐久穂町立千曲病院/雨宮病院/金澤病院/川西赤十字病院/依田窪病院/浅間南麓こもろ医療センター/軽井沢病院

のざわ整形外科/すみだクリニック/柳澤クリニック分院/たむらペインクリニック/長浦整形外科クリニック/佐久平整形外科クリニック/小岩井整形外科/よだ整形外科クリニック/軽井沢團クリニック など

 


担当医師
院長

黒澤 一也(くろさわ かずや)

日本整形外科学会専門医・指導医/日本整形外科学会認定リウマチ医/日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医/日本医師会認定産業医/日本骨粗鬆症学会認定医

常勤医師

坂井 邦臣(さかい くにおみ)

《肩・膝・スポーツ関節鏡センター長》【完全予約制】

非常勤医師 木村 康成(きむら やすなり)

外来担当医表はこちら

 

 

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