近年、IT化の進展に伴い、官民を通じてコンピュータやネットワークを利用して大量の個人情報が処理されています。こうした状況を踏まえ、個人情報の適正な取扱に関し、平成15年5月に「個人情報の保護に関する法律」(以下:個人情報保護法※1)が成立、公布され、本年4月1日から全面施行されました。
個人情報保護法は、内閣府国民生活局個人情報保護推進室が管掌しており、事業者が講ずべき措置について、事業分野ごとに主務大臣が指針を制定しております。これをうけて、医療・介護事業者に向けて、厚生労働省より平成16年12月24日、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」が示されました。
社会医療法人恵仁会においても、個人の権利・利益を保護するために、個人情報を適切管理することを社会的責任と考えております。以下に示す「個人情報保護に関する基本方針」に則り、職員および関係者に周知徹底を図り、これまで以上に個人情報保護に努めてまいります。
「個人情報保護に関する基本方針」
1.個人情報の収集・利用・提供
個人情報を保護・管理する体制を確立し、適切な個人情報の収集、利用および提供に関する内部規則を定め、これを遵守します。
2.個人情報の安全対策
個人情報への不正アクセス、個人情報の紛失、破壊、改ざんおよび漏洩などに関する万全の予防措置を講じます。万一の問題発生時には速やかな是正対策を実施します。
3.個人情報の確認・訂正・利用停止
当該本人(患者さま・利用者さま)等からの内容の確認・訂正あるいは利用停止を求められた場合には、別に定める内部規則により、調査の上適切に対応します。
4.個人情報に関する法令・規範の遵守
個人情報に関する法令およびその他の規範を遵守します。
5.教育および継続的改善
個人情報保護体制を適切に維持するため、職員の教育・研修を徹底し、内部規則を継続的に見直し、改善します。
6.診療情報の提供・開示
診療情報の提供・開示に関しては、別に定めます。
7.問い合わせ窓口
個人情報に関するお問い合わせは、各部署責任者または各部署受付窓口をご利用下さい。
また、前述の基本方針を受けて、当法人の具体的な取り組みを以下に示しますので、ご不明な点は、各施設受付窓口までお申し出下さい。
1.治療を目的とした個人情報の利用と情報の共有
- 私どもの施設では看護師や医師、その他の職員が取得した情報は患者さま・利用さまの診療記録等に記録され、最良の治療・介護が行われるために利用されます。
- 最良の治療・介護が受けられるよう、個人情報を他の病院などの医師に提出し意見を求めることがあります。
2.医療・介護保険事務や外来、病棟管理、通所リハビリ、デイサービス、施設入所、会計、経理、医療安全対策、院内感染対策、個人情報保護対策に利用されます。
3.当法人関係施設以外の診療所や病院、行政との連携に利用
- 私どもは継続的に良い治療・介護を受けられるよう、診療に関する報告書のコピー、処方箋のコピーなどの個人情報を治療を引き継ぐ医師、診療所、病院、介護施設に提供することがあります。
- 癌の疫学調査などに患者さま・利用者さまの疾患が当てはまる場合には、個人情報の一部が行政機関に報告されます。
4.検体検査業務委託などの場合
- 採血や病理検査などで検査を外部業者に委託した場合、検体誤認を防止するため情報を利用します。
5.医療・介護保険事務のうち、審査支払機関へのレセプト提出や同機関からの紹介に個人情報を利用します。
6.病名や病態の告知について
- 私どもは最良の治療・介護が継続できるようご本人に病名や病態を告知しています。
- しかし、病名を知る権利と知らなくても良い権利がありますので、告知を受けたくない方は主治医にお申し出下さい。
- ご本人だけに告知をしたり、告知するご家族をご希望通りに限定することもできますのでその際には主治医にお申し出下さい。
7.学会・研究会での利用
- 個人情報が医師、看護師、その他職員の勉強会などで教育目的で利用されることがあります。
- 学会や研究会で患者さま・利用者さまの個人情報が医療の発展を目的として利用されることがあります。
- 学会や研究会では氏名等の個人を特定できるような情報は発表しませんが、患者さま・利用者さまの医療情報を利用する目的で同意書を書いて頂くことがありますのでご協力下さい。
8.カルテ情報の公開
- 私どもは原則としてカルテ情報の公開を行っております。
- カルテ情報公開のお申し込みは各施設受付窓口までお申し出下さい。
- 迅速に公開するよう努力しますが、最良の治療・介護の継続に支障を来す場合などには、カルテを公開しないことがあります。その際には、速やかに文書でお知らせします。質問や苦情は各施設受付窓口で承ります。
9.プライバシーの保護
- 当法人ではプライバシーの保護が重要な課題であると考えています。
- 外来では患者さまのプライバシーを保護するために、中待合室などに次の患者さまを入れずに医師の診察を受けることができますのでお申し出下さい。
10.入院などの際に病室にご自分の名前を表示したくないときにはお申し出下さい。
11.個人情報取扱責任者など
- 当法人では各事業部に個人情報取扱責任者を選任しております。
医療事業部 関 篤司 潤賀 博幸
介護事業部 鳴澤 智之 - 上記個人情報取扱責任者の主管は、経営企画部が行います。
また、上記組織から独立して公平かつ客観的に内部監査を実施する個人情報保護監査責任者を選任しております。
個人情報保護監査責任者 鈴木 聡志 - 大切な個人情報が漏れた場合もしくは、情報が漏れていると思われるときには各施設受付窓口にお申し出下さい。すぐに各事業部の個人情報取扱責任者に報告し対処します。
12.個人情報の訂正などの申し立て
- 当法人では患者さま・利用者さまからお預かりした大切な個人情報を保存しています。
- 名前などの訂正がありましたら各施設受付窓口にお申し出下さい。
※1個人情報保護法: 個人情報の適正な取扱に関し、国および地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報取扱事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とした法律。
匿名加工情報の作成及び第三者提供について
当院では臨床研究や公衆衛生向上等を目的に患者さんの個人情報を取り扱うことがあります。症例や検査データを第三者機関に提供する場合がありますが、患者さんの個人情報には匿名化処理を実施しますので個人が特定されることはありません。 個人情報の利用については細心の注意を払いますので、ご理解とご協力をお願い致します。
匿名加工情報の作成および提供について (PDF 1.2MB)